実用できる
SDツール ”Studio 7” の特徴


1.基本機能

  • Windows VistaInternet Explorer 7との互換性の確保
    2007年春にリリース予定のWindows VistaInternet Explorer 7について、問題なく適用できることを確認済みです。
     
  • 新しくプロジェクトを開始するためのウィザードの新設
    新しいシミュレーションプロジェクトを始める段階で諸々の設定を実行する必要がありますが、それを順次実施するためのウィザードが準備されました。メニューバーのファイルの中にある“New Simulation Project ”またはツールバーの同じ名前のアイコンをクリックして開始します。
    このプロセスにおいて、使用言語、Studio2005とファイル形式の互換性を維持、暦への帰属、シミュレーションの時間軸特性などを設定できます。
     
  • 暦の期日から切り離したシミュレーションの新設
    この機能により、暦の期日に帰属させないでシミュレーションを実行できることになりました。例えば、暦日を特定しないで、0ヶ月から50ヶ月までと設定してシミュレーションを実行できます。
     
  • オプションを設定するためのダイアログの新設
    メニューバーのViewOptionを選択しクリックして開きます。このダイアグラムでは、開始時に表示する参照情報の種類、使用する画面構成、新しくプロジェクトを開始する場合のウィザードの表示、ダイアグラムで使用するフォントの種類を設定することができます。一部の変則的なWindows OSの設定において、以前のデフォルト・フォントであるVerdanaでは、文字表示が崩れる状況が見受けられましたが、その問題はこのフォントの選択機能の追加により解決するものと思われます。
     
  • Studio 2005 のファイル・フォーマットとの互換性の確保
    プログラムはアッパー・コンパチで作りますから、Studio2005で構築したモデルをStudio7で走らせることは可能です。しかし、その逆は一般には無理でした。そこで、“New Project Wizard”“Compatibility”のページで、“Studio 2005 file format compatibility”にチェックを入れると、Studio7でモデルを構築した場合もファイルの互換性が確保されることになりました。この条件の下で構築されたモデルはStudio2005上で走らせることが可能です。ただし、この場合にはStudio7の新機能は使えないことにご注意ください。
     
  • リリース後の”特性の追加”>”小改善”>”バグフィックス
    保守契約(SUA:Suport and Upgrade Agreement)が、Studio2005とは変わりました。
    価格は? 販売価格の約30%から約21%に価格を低下しました。
    効果は? Studioでは、大きなバージョンアップの他に、@特性の追加>A小改善>Bバグフィックスがあります。
    以前は、どなたでも@ABのダウンロードとインストールが可能でした。

    しかし、2007年5月1日から、SUA契約の締結者には、大きなバージョンアップと@特性の追加がダウンロードできますが、締結していない場合には、A小改善とBバグフィックスのダウンロードのみが可能になりました。
    @特性の追加とA小改善の内容については、ここをクリックしてご覧ください。
    なお、上記のダウンロードには
    、下記のURLを開き、商品に添付した”License Document”に記載してある”Company Name”と”License Number”とを入力して、ダウンロードのページに進んでください。
    http://www.powersim.com/main/resources/technical_resources/service_releases/studio7/

    ”Company Name”と”License Number”により、保守契約SUA締結者を認識し、SUA締結者には”@特性の追加”も 自動的に同時にダウンロードされます。
     

2.データセット(Excel

  • データセットとその接続とを設定するためのウィザードの追加
    データセットを設定して接続するためのウィザードが導入されました。ウィザードに準備されたデータセットに接続する新しいコマンドに沿って操作することで、モデルと外部データセットとの接続機能の設定の全ステップを容易にしかも注意深く実施することができます。
    ウィザードは、データセットと接続する変数を右クリックして、プルダウン・メニューの“Connect to Dataset”からたどれば、3種類のデータセットそれぞれについて開くことができます。例えば、Excelデータセットのウィザードのページは次のような構成です。

    データの場所の設定データの時間への従属について選択各種の設定配列の共通次元の選択Excel Sheet上のデータの配置の設定データセットの変数の表示データセットの名前を設定して終了
     
  • Excelデータセットのデータの保管場所を指定する方法の改善
    読み出したり読み込んだりするデータの場所は、Excelのワーク・ブック名、ワーク・シート名、セルの原点(データの左上の角)を入力することで指定します。今回準備された“Spreadsheet Connection Wizard”の最初のページである“Data Location”でこの指定を簡単に行えるようになりました。特に、以前から使用している、計算手法を組み込んだり、グラフ表示を組み込んだりした少し複雑になっているワーク・ブックをテンプレートとして再利用する場合には、便利になりました。
    Studio
    の中で定義された識別子を“field code”と呼びます。この識別子を使用可能な部分に入力しておき、識別子をある時点で定義すると、入力されていた識別子はその定義された値に全て入れ替わります。今回、新しい識別子として、{CONNECTIONNAME}が定義されました。中カッコつきのこの識別子を、“Data Location”のページの“Workbook”“Worksheet”“Name of persistent copy”などに入力しておくと、“Connection name”が定義された時点で、{CONNECTIONNAME}はその定義された名前に自動的に入れ替わります。利便性が向上しました。

 

  • Excelデータセットにおいて設定した時間間隔による転送の時間短縮
    データの転送には、Excelに記載している時系列に合わせて転送する“Local times from dataset”と、設定した時間間隔で転送する“Transfer at regular intervals”があります。後者の方が、Excelからの転送時間を回避することができますから、転送時間の負荷を心配しないといけない場合には、後者の“Transfer at regular intervals”を使用してください。
     
  • データセットの転送向きを明確化する改善
    SAP BIExcelのデータセットとモデルとの間のデータの転送において、どちらを主体として表現するかにより“in”“out”の表現が逆になるので誤解を生む可能性が高かったようです。このような誤解を防ぐために、“in”“out”の表現の代わりに、in (to SAP)“out (from xl)”のように短い説明を括弧の中に追加しました。
     
  • Excelとの接続に関する自習演習課題(“Tutorial”)の追加
    この新しい演習課題で自習することによって、Excelデータとの間でいかに簡単に接続を設定できるかを学ぶことができます。自習演習課題(Tutorial)を選択するには、ツールバーにある、“Toggle Task Window”アイコンをクリックして、ダイアグラムの右側にタスク・ウィンドウを開き、“Tutorials”を選んでクリックして一覧を開いてください。Excelとの接続の課題の名前は“Dataset Tutorial”です。
     

3.データセット(SAP BI)

  • SAP BI データセットの新設
    Studio2005まではSAP SEM BWBusiness Information Warehouse)と接続するためのデータセット機能である“SAP SEM Dataset”が準備されていました。今回、SAP社の新しい製品構成に合わせて、SAP NetWeaver BI(Business intelligence)と接続するために、データセット機能を“SAP BI Dataset”に更新しました。

               

  • SAP BI データセットとStudio データセット の内挿方法の改善
    Studioが接続できるデータセットとして、“SAPBI Dataset”“Excel Dataset”“Studio Dataset”の3種類があります。データセットからモデルに与えるデータの密度が、シミュレーションの刻み時間より粗い場合には、与えられるデータ間を内挿する必要があります。今まで“Excel Dataset”でのみステップ内挿か直線内挿が可能でしたが、今回から全てのデータセットで前述の2種類の内挿ができることになりました。
     
  • SAP社とPowersim社との連携
    上の行をクリックして内容をご覧下さい。
     

4.その他の機能

  • 方程式を文字としてコピーする機能の新設
    方程式ウィンドウの中で対象の式を選択してコピーすることで、式を定義している項目ごとに区分けされた文字としてコピーできる機能が新設されました。式を定義している項目ごとに区分けされているフォーマットですから、各種のエディター・ツールやExcelで、その項目の区分けが認識され、整理された表として表示されます。
     
  • 値の属性ページの追加
    モデルの中の変数、データセット、解析結果のそれぞれの値を検査してコントロールするためのページが、それぞれの属性表示のダイアログに、“Value”のタグ名で加わりました。このページでは、ファイルからのインポート、クリップボードからのインポート、外部へのエクスポートもできます。
     
  • 方程式ウィンドウの属性画面における配列のエレメント表示の追加
    方程式画面を開いて、配列変数の属性画面を表示すると右端に“Value”タブが追加されています。このページには、配列要素の名前とその値とが隣り合う列として対比されて示されています。
     
  • モデリング・ダイアグラムに対するクイック・アクセスの新設
    メニューバーの“View”あるいはツールバーに、共通画面、プライベート画面、レンジ画面、単位画面、分析変数画面、接続画面、イベント画面、ラン画面が直接表示できるアイコンが配置されました。さらに、よく使う画面については、キーボードからショートカットとして、“Alt-1”から“Alt-5”までを使うことができます。したがって、プロジェクト・ウィンドウを表示しない状態で大きな画面として効率的にモデルを構築できるようになりました。

 

  • コンテキスト・ヘルプ機能に対する柔軟性の改善
    変数の属性画面などの下端の“Help”ボタンをクリックして開く画面をコンテキスト・ヘルプと呼んでいます。この画面の大きさを自由に変えることができ、さらにもともとの属性画面から切り離して表示することもできるようになりました。
     
  • 計数単位の複数名称に対する改善
    単位に対して単数名称と複数名称が準備されました。複数名称は1でない場合に適用され、2 years のように表示されます。一方の単数名称は、きっちり1の場合のみに適用され、例えば、1 year のように表示されます。一般に単位の単数と複数の区別をしない日本では少々うっとうしく、例えば、0 years と表示されると、違和感がありますがご容赦ください。
     
  • “Go To Variable”のダイアログの改善
    変数を画面から探す機能である“Go To Variable”のダイアログの表示方法を変更して利便性の向上を図りました。
     
  • プレゼンテーション・モードにおけるスクロール・バーの改善
    今までは表示されたダイアグラム内にモデルが全て納まっている場合にも、プレゼンテーション・モードにおいて画面の縦と横のスクロール・バーが表示されていました。プレゼンテーション・モードではモデルの追加構築はできませんので、こんな場合には、スクロール・バーは必要なかったわけです。今回、プレゼンテーション・モードでは画面のスクロールが必要な場合だけ、スクロール・バーを表示することにしました。スクロール・バーが表示されていない場合は、それ以上に画面を探す必要がないことが明確になり、操作性が改善されました。どうでも良いことですが。
     
  • 文字として単位無しの整数を表示する機能の新設
    配列である整数変数の要素の値を表示するときに、その要素の整数に代えてあらかじめ設定した列挙型レンジ(”Enumeration range“)の要素名を表示させます。そのためには、その配列の整数変数の属性画面の単位枠に、関数 DisplayAs(列挙型レンジ名)を記入します。列挙型レンジの要素は最初が1番、次が2番と整数に対応させ、その整数の値が配列である整数変数の要素に存在する場合には、数字が列挙型レンジの要素名に置き換えられます。整数変数の配列の値が、列挙型レンジの要素の番号に対応しなかった場合にどのように表現されるかなどについては、ヘルプから下記のドキュメントを参照してください。
           DISPLAYAS-Display Enumerated Range Element Names
    正直なところ、この新しい機能の使い方については実感が湧かない....
     
  • 自習演習課題の更新
    自習演習課題(Tutorial)をStudio7に合わせて更新しました。“Task Window”を表示すると、中頃の“Learn...“Tutorial”や参照モデル(“Sample”)があります。
    現在の自習演習課題(Tutorial
    Powersim Studio
    の手引き  在庫管理の構築  在庫管理のシミュレーション  
    データセット  最適化  リスク評価  リスク下の最適化
    現在の参照モデル(“Sample”
    ケーブルテレビのシミュレーション  ケーブルテレビの最適化  
    固定金利ローンのシミュレーション  在庫管理のシミュレーション  
    オイル掘削リグのシミュレーション  人口シミュレーション
    製品ライフサイクルシミュレーション  プロジェクト管理シミュレーション  
    株式市場シミュレーション  労働者のモラルに関するシミュレーション

                                                       

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