SAP SEM : 戦略的企業経営
 -- Strategic Enterprise Management --  

SAP SEM は、業務実行システム SAP R/3 の上位に位置して、ビジネス・インフォメーション・ウェアハウスBWと一体化されている戦略的企業経営システムです。SEMは5つの要素で構成されていて、その内のBPS、「事業計画とシミュレーション」にPowersim製品が組み込まれます。


SAP SEMは2000年8月に日本でもリリースされました。

               

         BPS 事業計画とシミュレーション

         Business Planning and Simulation  

      BIC  ビジネス情報収集

                Business Information Collection 

      BCS 事業連結

                Business Consolidation 

      CPM 企業業績モニタ

                Corporate Performance Monitor 

      SRM ステークホルダー管理

               Stakeholder Relationship Management

 

5つの要素について簡単に説明します。詳しくは、SAP社のWebを参照して下さい。

 

BPS :統合された企業戦略、事業戦略・戦術・計画を支援。

     ダイナミックでリアルな企業モデルの作成、シミュレーションによる戦略とシナ

     リオの作成支援、シミュレーションによる戦略・シナリオ・リスクの評価など。

 

BIC  :SAP R/3 のデータ・ウェアハウスBWの情報に加えて、社内外の情報源から 

          自動・半自動的に情報を集めてデータベース化。

 

BCS :連結会計と価値基準会計に必要な機能の提供。

     自動価値調整転記、自動割当、通貨換算、会社間取引消去、各種の国内基   

          準による手続き・各国および国際会計基準による投資の統合など。

 

CPM :KPIsの定義、分析、ビジュアル化、解析をサポート。

 

SRM :株主、従業員、ビジネス・パートナー、社会公共団体などのステーク・ホルダ

           ーのコミュニケーション・プロセスへの支援を提供。

           ステーク・ホルダーに、企業戦略とステーク・ホルダーの価値に対する効果

           について、定期的に系統的な情報を提供。ステーク・ホルダーからは組織

           的にフィードバックを収集しSEMへ反映。


 

Ps Studio 2005 Enterprise SAP SEM-BPS

Powersim Studio 2005 には、計画立案者が企業のビジネス情報ウェアハウスに直接関連付けてモデルを開発できるという特徴があります。
一般にビジネス・シミュレーションでは、将来において管理すべき期待値と前提条件だけでなく、実際の業務データもビジネス・ウェアハウスから持ち込んできます。
また、シミュレーション結果は、企業のデータベースへ持ち出されますし、おまけに、将来分析、予測、予算、計画あるいはシナリオの基盤をも形作ります。       

ビジネス・モデルとBW-BPSとの関連について概略を下図に示します。

 

Powersimを使った総合的で柔軟な計画作業

SEM環境の中に保管されているシミュレーション・モデルとデータは、顧客組織の中全体で使うことができるようになっています。業務プロセスを計画して最適化するためのモデルは、Powersim Studio のプレゼンテーション・モードにおける操作で、モデルを作らない人でさえ、容易に使うことができるようになっています。このことは、会社全体を通して、計画者や意思決定者が容易に利用できるモデルを、企業のモデリング・チームが作ることができることを意味しています。  

計画プロセスに対する利点

Powersim ビジネス・シミュレーション技術は、企業幹部に、ビジネス・プロセスの内部と外部における透明性の高い、かつ総合的な視点を提供します。

-ビジネスの時代において、有形資産から無形資産へと、重要度が移りつつあります。例えば無形資産とは、知的財産、ブランド価値、評判、研究開発の情報ルート、そして人的資本などです。Powersimのモデルによれば、企業の管理者が各種の異なるシナリオの中で企業価値の短期と長期の成長を研究する際に、それを求める上で必要なハードのデータだけでなく、ソフトの変数をも容易に把握することができます。

会社幹部はリスクと選択した戦略による利益の見返りを評価するための努力と時間を削減するために、Powersimによるビジネス・シミュレーションを活用します。細かすぎる話に立ち入ることなく、Powersimモデルを使うことで、ビジネスとそれを取り巻く環境の重要な動特性を把握することができます。このことにより、新市場の状況とか技術革新であるとか組織変革であるとかのようなビジネス環境における変化のための戦略の採択に必要な時間や要する努力を削減することができます。

Powersimシミュレーション技術は、ビジネスの財務と非財務とを結び付けますし、予算プロセスへ結び付けるには相応しい技術です。新しい情報が使えるよう予算条件を刷新するために、シミュレーション・モデルは直ちに更新されます。このため、企業は予算プロセスの時間の節約や、予算更新の簡素化や、ビジネスの発展動向を継続するために頻繁に予測を繰り返すことへの支援も可能になります。

適用領域

 財務に関して :ビジネス計画と、運転資金や投資や収益性の管理のための予測
 顧客関係に関して :販売と利益計画、収益性分析、顧客関係に最適化のための市場分析
 サプライチェーンに関して :協力計画と予測、調達と生産分析、バリューチェーンの最適化
 人的資源に関して :要員計画および予測・ベンチマーキング・報告、効率的な配置と人事活動のスケジュール、訓練を必要とする領域の確認
 製品のライフサイクルに関して :製品のポートフォリオ管理とライフサイクル・コスト管理、製品のライフサイクルの最適化