参考モデルのダウンロード

●配布条件 ●配布目的 ●モデルの概要 ●モデルのダウンロード ●自作モデル公開希望

Powersim社サイトからフリーでダウンロードしていただいた Ps Studio Express で、シミュレーションを実行できるモデルがこのページにあります。
左のフレーム上の”Freeプログラムのダウンロード”からプログラムをダウンロードしたものの、先ずどんなことができるのか確かめてみたいがモデルがない、と思案されている方はこのページからモデルをダウンロードして 、Ps Studio の基本的な機能を確かめることができます。
自分のやりたいことがPs Studioによって実現できるだろうと感じられる方が、きっと多と思います。

さて、システム・ダイナミックス(通称、SD)は、因果関係、遅れ事象、フィードバック制御などを含む社会系のあらゆる問題解決に適用できます。基礎となっている理論は制御理論です。欧米各国では経営問題、環境問題、政策問題などに広く使われていますが、日本では最近になってやっと経営、環境分野で、事象分析あるいは問題解決の手段として取り上げ始められた段階です。
モノ造りの世界において制御理論がインフラ技術として使われているように、社会系の諸問題においてもシステム・ダイナミックスが解決のための基礎技術として有効ですから、日本でも大いに活用して国際競争力 の強化に役立てるべきだと考えています。

このサイトからダウンロードしていただくモデルは、当初、Ps Studio 2001で要素数が100以下になるように構築しました。
しかし、2003年6月にリリースされたPs Studio 2003 Expressおよびその後のPs Studio のExpressでは、許容されている要素数が最大50個と少なくなりましたので、一部のモデルがPs Studio 2003 Express以降のバージョンでは動かなくなっています。
もちろん、商品版のPs Studioでは、要素数の制限はありませんから問題なくシミュレーションを実行することができます。

また、PsStudioは、2001版−>2003版−>2005版−>7版−>8版−>9版−>10版 と、アッパー・コンパチブルに作られていますから、古いバージョンで構築したモデルを新しいバージョンのソフトで動かすことができます。しかし、その逆はできません。

以上については、それぞれのモデルの説明文あるいはモデルのファイル名に、対応しているソフトウェアのバージョンを、”for2003”あるいは”for2005”のように注記していますのでご参照ください。

また、2003版以降のPs Studio について、シンボル記号の変更がありました。
レベル(ストック)変数のシンボル形状が2001版以前は水槽に水が半分入ったような絵だったのですが、2003版以降は単純な黄色い四角になっていますのでご注意下さい。

ダウンロードしていただけるモデルは、次のとおり5種類にわけています。

 ▼ システム・ダイナミックスの学習向けモデル
 ▼ ビジネス問題関連モデル
 ▼ 環境問題関連モデル
 ▼ 環境問題関連モデル
 ▼ 教育向けモデル

上記の中でパワーシム・ツールの基礎を学習するためのモデルが、”システム・ダイナミックスの学習向けモデル”です。
企業の方が独習に使われるだけでなく、大学でのシステム・ダイナミックスの導入教育に お使いいただくことも配慮して作成してあります。

次に、フリー・ソフトウェアの評価版 Ps Studio Express は、左のフレームの”Freeプログラムのダウンロード”からPowersim社のWebページに入りダウンロードする ことができます。
Ps Studioに関する初歩のガイダンス書は、左のフレームの”Studioの使い方”から入手できます。
また、Ps Studioの正規版の見積りは、左のフレームの”見積依頼”から請求していただ けます。

モデルの配布条件など

ダウンロードしていただくモデルについては、教育、ツールの評価、学習など、商用以外のどんな目的にお使いいただいてもかまいません。
ただし、日本国著作権法に基づく著作に関する全ての権利は、各モデルに明記しています作成者に属しています。
なお、有償の研修ビジネスでお使いになりたい場合には、POSY社までご連絡ください。   
POSY Corp. へメール

ダウンロードしていただくモデルは、WinZipで圧縮していますので、適切な解凍ソフトで解凍してお使いください。 (ほとんどの解凍ソフトで可能と思います)
それから、モデルは断り無く改編しますがご容赦ください。
お気づきの点がありましたら、上記のPOSY Corp.までご連絡いただきますと大変助かります。


配布モデルの目的

我が家を建てるとき、ご家族のそれぞれの要望を出し合い、将来の家族の姿を描きつつどんな家にするか悩まれたことがおありだろうと思います。今回は庭までは手が回らないから将来庭とサンルームを作って年とったらのんびりしょうとか、子供が大きくなったら二世帯住宅にしょうとか、子供が生まれたら別の大きな家を買って老後に再び小さいこの家に戻ろうとか、ウィークデイは都心の狭いマンションで生活してウィークエンドは広々とした別荘暮らしをしょうとか、様々な 話があることでしょう。
家を建てることについての家族の夢を語り合う段階にはこのような日本語、すなわち”自然言語”が一般的でなじみやすいと思います。

次の段階では、決まった敷地 の中での間取りや家の外観が話題になります。
この 段階になると自然言語だけでは少しコミュニケーションに無理が出てきて、スケッチ・ブックへ玄関の絵を描いてみたり、台所の絵を描いてみたりします。
場合によっては方眼紙に間取りを細線や太線や二重線で建築家気取りで描くことにもなるでしょう。
このタイミングが、設計技師が会話に加わり始める時期でもあります。

いよいよ設計技師との本格的な打ち合わせが始まり、設計技師は家族の要望に応えて基本設計図から詳細設計図を引き始めます。
昔は三角定規と太さをそろえた鉛筆、そして電卓による諸計算結果を使ってケント紙に図面を描いていました。
しかし最近では部品図が沢山準備された建築CADの画面上で図面が作成されます。
内装の色から視点を変えての概観まで、必要ならお客である貴方の家族と語り合いながら作成できるようになっています。
それも机上の極普通のPCで可能です。

話が回りくどくなりましたが、システム 的アプローチと対比するとどうなるのでしょうか。

その家族の生き方に基づき諸条件の整合性を保ちながら我が家の基本仕様を固める段階が、いわゆる「システム・シンキング」(以降ST)に相当し、具体的に数値を確定しながら家の基本設計から詳細設計を作成する段階が 、いわゆる「システムダイナミックス」(以降SD)に相当します。
したがって、前者のSTが定性的アプローチ、後者のSDが定量的アプローチと分類できます。
ツールに関しては、
建築設計において建築CADが有効に活用されているように、情報化社会といわれる現在、SDを活用するには、ビジュアライズ機能により利便性が高くなっているSDツールを適用することが必要不可欠です。

教養としての システム的アプローチであるなら、SDツールを使うまでもなくいわゆるSTのみの「系の整合性の学習」にとどまっても構わないのですが、いざプロフェッショナルな立場でビジネス、環境、政策を論じるためにSDを活用するのであるなら、上述の設計技師が建築CADを日常的に業務に活用しているように、SDツールを日常的に活用することが不可欠と考えられます。

以下からダウンロードしていただくモデルは、システム・ダイナミックスおよび関連技術を日常的に
活用したいとお考えの皆さんにご利用いただく目的で作成しています。


配布モデルの概要説明

配布モデルの中に、”システム・ダイナミックスの学習向けモデル”として2種類のモデルを準備しています。
Ps StudioはExcelに似たタブ形式で、モデルや説明を記載するダイアグラムを切り替えられるようになっていますので、モデルの説明 もタブ切り替えのダイアグラムに記載しています。
配布モデルの説明をご覧になるには、先ずPs Studioを立ち上げて、対象のモデルのファイルを開いて下さい。

学習の順番は、「SDとStudio操作の基礎」−>「モデリングの基礎」ですが、いずれも簡単なモデルの実習を通してSDとSDツールであるPs Studioを学習していただく形式になっています。

それぞれの学習モデルで、 説明やモデルをご覧になるのと並行にして、新しくPs Studioをもう一つ立ち上げて、その上で演習問題を実行したり説明モデルを自分自身で構築したりしながら進めると、学習を効果的に進めることができます。
なお、商品版 をお使いの場合には、モデルの要素数の制限がありませんから、学習モデルのファイルの中に新しいコンポーネント(一つの独立したモデルとして取り扱われる単位)を加えて、自分の独習用スペースとして使うことができます。

既にSDを修得している方あるいはSD学習モデルを修了した方は、ビジネス問題関連モデル、環境問題関連モデル、 政策問題関連モデル、教育向けモデルの中から興味をお持ちのモデルをダウンロードして試用した上で、皆さんの構築されるモデルの参考に あるいは一部として応用に供していただけると幸いです。


幕間

Ps Studio 2005からは操作画面が2種類使えます。
2種類の画面の名前は、”normal”と”advanced”と言います。

両者の違いは、主画面の左側にプロジェクト・ウィンドウが表示されるかどうかで、
”normal”は「表示なし」、”advanced”は「表示あり」です。
このプロジェクト・ウィンドウには、一つのファイルに保管されている複数のモデルの階層構造や外部データベースとの関係を定義する機能が含まれています。

Ps Studioを 最初にインストールしたときには”normal”画面が表示されていることが多いと思いますが、この学習モデルでは、”advanced”画面をお使いください。
初期画面の切り替え方法について、以下で説明します。
       “Advancedトップ画面”       “Normalトップ画面”

     

トップ画面の切り替えは、下図に示すように、メニューバーのViewを開き、
Workspace
àRestore User Interface à Normal/Advancedの一方を選択します。

              


Advanced画面ので、プロジェクトウィンドウを消去して、モデル表示のためにPC画面を広く使 いたい場合、ツールバーに配置されている左のアイコンをクリックします。

システム・ダイナミックスの学習向けモデル

■SDとStudio操作法の基礎
ファイル名:SDとStudio操作の基礎(for2003).sip 
       SDとStudio操作の基礎(for2005).sip
圧縮ファイル容量:0.9MB  解凍ファイル容量:6.8MB


SDに興味を感じている方あるいはモデリングとシミュレーションを試みたいと考えている方のために準備した学習資料です。
PsStudio2003向けとPsStudio2005向けがあります。
Ps Studioの概要、バスタブ・モデルによるモデリングの手始め、システム・ダイナミックスの基礎などについて、順を追って説明しています。バスタブ・モデルについて実習していただける資料になっています。
Ps Studioをインストールした後で、このモデルのアイコンをダブルクリックして開いて下さい。この資料はPs Studio上に作っていますので、学習しながらPs Studioの操作にも慣れ親しんでいただけます。

■モデリングの基礎
ファイル名:モデリングの基礎.sip         
圧縮ファイル容量:0.2MB      解凍ファイル容量:0.8MB


島田俊郎編;『システムダイナミックス入門』の中で取り上げられている貯水池モデルを対象にして、Ps Studioによるモデリングを学習するための資料です。
内容は、SDによる問題解決プロセス、因果関係図、貯水池モデルの作成手ほどき、シリーズ計算のやり方などです。
「SDとStudio操作 の基礎」に引き続き学習することで、出来上がったモデルで条件を変えてシミュレーションを実行したり、モデルそのものを分析したり、さらにカスタマイズしたりできる程度のポテンシャルが付くことを目標としています。
この資料もPs Studio上に作っていますので、Ps Studioをインストールした後で、このモデルのアイコンをダブルクリックして開いて下さい。

変数の数が47個と、Ps StudioExpressの上限(50個)に近いので、演習は同じプロジェクトに新たなコンポーネントを開いて実施するのではなく、別にPs Studio Express を立ち上げて実施して下さい。

ビジネス問題関連モデル

■弱気なケーキ屋さんの縮小均衡からの脱却物語  
ファイル名:縮小均衡からの脱却−1&2.sip  
       縮小均衡からの脱却−3.sip         
圧縮ファイル容量:0.3MB      解凍ファイル容量:1.7MB

小さなラムケーキが大人気の おしゃれなケーキ屋さんの話です。
この店では、仕入れたケーキが2日以内に販売されないと廃棄処分になります。
ですから、仕入数にはずいぶん気を使い、しかも店主は少し気の弱い人なので、廃棄処分することを極端に恐れています。

消極的な仕入の決め方が、販売量の縮小均衡を招いています。
その原因を分析し、縮小均衡から脱却するための方法を導きます。
最後に、仕入の在庫係数と二日目の値引き値段を1ヶ月の粗利が最大になる条件から求めます。

このモデルでは、販売モデルの基本形態を学ぶだけでなく、モデルベースト経営の手法の概要も学びます。
「モデルベースト経営」では、対象とするビジネスをダイナミック・モデルで構築して、その上で望ましい経営条件を求めます。
その結果に経験則を加味して実経営にあたる手法を指して「モデルベースト経営」と言います。

■ビール・ゲーム・モデルとビール・サプライチェーンの改革
ファイル名:BSC(6421)−(1)原型(for2005).sip  
       BSC(6421)−(6)革新(for2005).sip         
圧縮ファイル容量:0.1MB      解凍ファイル容量:0.4MB

ビール・ゲームはフォレスター教授が景気変動を研究する手段として学生を使った実験を行うために開始したと言われています。
単純な需要条件の変更にもかかわらず、実験参加者は皆同じような失敗を繰り返し、在庫の山と品切れを築いているようです。

さて、ここでは、二つの観点からモデルを試していただきたいと思います。
(1)ビールゲームを自動的に行うシミュレーター・モデル
(2)ビール会社のサプライチェーンを改革するためのモデルベースト経営のためのAsIsモデル

モデルとしてはこのほかに、SCを改革した結果のモデルも準備しています。
BSC(6421)-(1)原型 :ビールゲームのモデルでありかつビール会社の古いサプライチェーン・モデル(AsIsモデル)です。
BSC(6421)-(6)革新 :古いサプライチェーンを改革した新しいサプライチェーン・モデル(ToBeモデル)です。

詳しくは以下の論文を参照してください。
  松本憲洋;BSC戦略経営にモデル・ベースト経営手法を組み込む,JSD学会誌No5,2006.5
この論文は、上の論文名をクリックするとpdfファイル形式で表示することができます。

■ソフトウェア・ビジネスの人的資源管理
  エドワード・ヨードンの「Death March」第6章から
ファイル名:AH&M-model(for2005).sip      
圧縮ファイル容量:0.2MB      解凍ファイル容量:0.8MB

エドワード・ヨードンの「デスマーチ」を大幅に書き換えた第2版が出版されました。
ヨードンはオブジェクト指向方法論を提唱したことで有名なだけでなく、ソフトウェアにもっとも大きな影響を与えた一人とも言われていますから、多くの方がご存知と思います。
この著書の5章のタイトルは「デスマーチ・プロセス」で、第6章が「プロセスのダイナミックス」です。

第6章では、アブデル−ハミッドとマドニックが著した”SoftwareProjectDynamics:AnIntegratedApproach”で取り上げられている中規模ソフトウェア・開発プロジェクト・マネジメントのモデルのうちの「人的資源の管理」の部分(以後、AH&Mモデル)を引用して います。
その中で、ソフトウェア構築プロジェクトのプロセスのダイナミックスを表現するにはシステム・ダイナミックスが有効であると述べています。
このシステム・ダイナミックス・モデルを用いてPC上で仮定に基づく実験を行い、知識の共有を図り、起こり来るリスクを回避して、プロジェクトをデスマーチから成功へと導くようプロジェクト・マネジャは学習すべきだと論じています。

ヨードンはithinkでモデルの構造のみを構築しているので、モデルをPs Studioで再構築して示し、ヨードンが示している人的資源セクターだけでなく、さらにプロジェクト実行セクターと時間割付セクターを追加し、さらに稼動条件も加えて、シミュレーション が実行できるモデルを構築しました。

ヨードンは人的資源の管理モデルを構築順に4段階に分けて表示していましたので、ここでもそれに合わせて4段階のモデルを示しました。
読者の皆さんは、ヨードンの著書を参考にしながら、モデルを眺めると理解しやすいと思います。
また、シミュレーション可能なモデルは、Ps Studio 2005のフリーソフトであるExpress上で稼動しますので、モデルの入力条件をさまざまに変更して、プロジェクトの人的管理について仮想管理を行ってみてください。

■トム・デマルコの「Deadline」にみるシステム的アプローチ
ファイル名:      
圧縮ファイル容量:MB      解凍ファイル容量:MB
      
準備中

■The Goal 物語
ファイル名:ハイキングモデル.sip         
圧縮ファイル容量:2.8MB      解凍ファイル容量:20MB


小説の形態をとっていますがなかなか優れた経営書で、制約理論の原典となったエリヤフ・ゴールドラットの”The Goal”を取り上げます。
   著者:Eliyahu M. Goldratt 訳者:三本木亮 出版:ダイアモンド社 ”ザ・ゴール”

全体をデル化するとビギナーにはモデルが大きすぎますので、第4章の「ハイキング」の部分のモデルを作成しています。このモデリングの目的は、ハイキングの隊列を短く整えたまま早く目的地に到着するためにどうすれば良いかについて検討することです。

モデルの内容は、小説”The Goal”、ハイキングモデル、マッチ運びゲーム、加工プロセスモデルへの変身などです。
このモデルを実行することで、「ハイキングの隊列を短く」とは、「工場運営で仕掛・在庫を少なく」に対応していて、「早く目的地に着く」とは「工場運営では時間当たりのスループットを増やす」ことに対応していることが理解できるでしょう。すなわち、抽象化してモデル化すると、The Goal の隊列問題は工場の経営問題と同じ挙動とみなせると言うことです。

作成した後で気づいたのですが、このモデルは経営学の初歩段階で大変有効です。大学でSD教育に携わっている先生方にも教材としてお使いいただけるだろうと思っています。

さて、お断りしなければならないことがあります。
このシリーズでは、Powersim社のフリー・ソフトウェアで実行できるようにモデルの構成要素数を100以内に収めるつもりでしたが、モデルの構成要素の数がその制限を越えてしまいました。そこで、ここでは一部簡略化したモデルをダウンロードしていただきます。正規版のPs Studioを購入され、このフルモデルを希望される方はご連絡下さい。

■TQM活動への参加意欲
ファイル名:参加意欲.sip         
圧縮ファイル容量:0.1MB      解凍ファイル容量:0.3MB


モデルを作ろうとするとき、社員のやる気、顧客の満足度、市民の環境改善圧力など定量化に難しさを感じる要素が沢山あります。このような定性的な事象をモデル化する例として、アナログ・ディバイス社のTQM活動に関するSterman達の論文に出てくる「参加意欲のモデル」を取り上げいています。
このモデルは、システムダイナミックス学会日本支部のビジネス研究分科会のメンバーの要望により開催したオリエンテーションコースの実習モデルとして作成したものです。

モデルでは、@マネージャ・グループの支援が参加意欲に及ぼす効果、A参加者の口コミが参加意欲に及ぼす効果、B口コミの原因(自分が体験した結果、マネージャの支援、雇用環境)を定量化して表現しています。
定性的事象を定量化する例題として、あるいはそのための学習教材としてお使い下さい。

■最適化・リスク評価・リスク下の最適化
ファイル名:solver.sip
圧縮ファイル容量:0.4MB      解凍ファイル容量:0.8MB

仮想経営や環境シミュレーションを目的にモデルを構築した後、最適な条件を簡単に見出して、今後の戦略に目安を得たい場合には、「最適化」の機能を使います。
経営予測を行う時、可能性のあるリスクの発生確率を与えて、最終的な目的変数であるキャッシュ・フローなどに影響する状況を確率分布の形で把握するには、「リスク評価」の機能を使います。
また、そのようなリスクが存在する場合に最適条件を求めたり、あるいは一定の確度以上で目的変数を得るための条件を求めるには、「リスク下の最適化」の機能を使います。
このモデルは、電力会社の設備投資の事例をきわめて簡単に表現し、設備投資の可否を判断するとした場合の上記機能の適用方法を体験できるモデルです。

■サプライチェーンにおける定量発注と定期発注
ファイル名:inventory replenishment.zip
圧縮ファイル容量:0.2MB    解凍ファイル容量:3MB


サプライチェーンにおいて、在庫が果たす役割は、たとえば、供給側と需給側の工程間の切り離しです。
これを基本的な在庫の役割として、デカップリング在庫機能と呼んでいます。
デカップリング在庫機能に着目した在庫理論においては、代表的な在庫問題は、発注方式と経済発注方式とに集約して定式化されてきました。
ここでは、2種類の発注方式についてモデルを提供します。
このモデルは要素数がいずれも50以下であり、Ps Studio 2005 Expressで開くことができます。
今後、要素モデル(サブ・モデル)として自由に組み込んでお使いください。
モデルは以下の4種類が、一緒にwin.zipで圧縮してありますので、適当なプログラムで解凍してお使いください。
  モデルの名前と概要 :
  (1)fixed order quantity system-fixed demand.sip 定量発注で固定需要
  (2)fixed order quantity system-fluctuation demand.sip 定量発注で変動需要
    (3)practice-fixed order quantity system-fluctuation demand.sip 定量発注で変動需要(演習)
    (4)periodic ordering system.sip 定期発注

環境問題関連モデル

■森は海の恋人
ファイル名:森は海の恋人.sip         
圧縮ファイル容量:1.8MB      解凍ファイル容量:4.7MB


宮城県気仙沼市の畠山重篤氏が始めた漁師による植林運動は、全国的に広がって各地で展開されています。
このモデルでは、植林した樹木が時間的な遅れをもってどのように牡蠣養殖に好影響をもたらすかをシミュレーションで確認できます。モデルの内容は、気仙沼湾の牡蠣養殖場、腐葉土モデル、牡蠣育成モデルなどで、畠山氏が著した小学生向けの「漁師さんの森づくり」,講談社出版にそって作ってありますので、小学校高学年以上の環境教育の教材としても使用できます。

また、このモデルの中の”モデルの設定”ページから諸条件を変更することにより、ここで対象としている気仙沼湾以外の養殖場のモデルへと変身させることもできます。身近な対象に適用してみてください。

■自動車リサイクル問題
ファイル名:自動車リサイクル問題.sip         
圧縮ファイル容量:0.5MB      解凍ファイル容量:1.4MB


循環型社会を目指す動きが世界的な広がりを見せています。このモデルは、システムダイナミックス学会日本支部の環境研究分科会の一部のメンバーの要請を受け、Studioに関するオリエンテーション・コースを開催しましたときの実習問題です。
環境問題にSDモデルを適用する際、企業の経営問題以上にデータが欠如していて、そのためにモデルを作ることができないとの声を聞くことがあります。しかし、これはおかしな話で、対象世界がどのような因果関係で構成されているかを様々な現象により、予測し組み立てて、その結果と現実との比較からより良く説明できるモデルへとチューニングする力がその対象分野で取り組む方々のポテンシャルであるはずです。

今回取り上げた課題は、下記の著書の知識を背景にして、自動車リサイクル問題です。このモデルで求めたいことは、シュレーダーダストの逆有償化がもたらす状況をモデルでうまく説明して、そのための対策をシミュレーションにより事前に検討することです。
  植田和弘・喜多川進監修;ジャン管型社会ハンドブック,有斐閣,2001年4月

4時間程度のオリエンテーション・コースの課題ですから、十分な内容にはなっていませんが、このモデルを更に具体化して、皆さんでモデルを完成させ上記の課題の回答を求めてみて下さい。

このモデルは変数の数が64個あるため、正規版のStudio や PsStudio2001Express では開いて実行できますが、PsStudio2003Express では、変数の数の上限50個を超えているために、実行できません。

政策問題関連モデル

■人口モデル(「配列」の学習)
ファイル名:6−617−人口モデル(for2005).sip        
圧縮ファイル容量:0.1MB      解凍ファイル容量:0.1MB

人口モデルは政策問題はじめ経営問題、環境問題にもインフラ部分として頻繁に使用されます。
このモデルは、 年齢層を若年(15年間)、青年(35年間)、壮年(15年間)、老年(25年間)の4グループに分けた簡単な人口モデルです。
グループ間の移動については、各年齢層に対する転入と転出で表現します。
経年的な移動量は出生数により年毎に異なりますが、このモデルでは4グループのそれぞれの平均数が、直上の年長グループへ移動するとしています。当然のことですが、若年層への移動と、老年層からの移動はありません。

このモデルをモデリングの工夫もなく単純に構築すると、年齢層を直列に並べたモデルになります。
モデルを精緻化するとなると、5歳ごとのくくり、さらに1歳ごとのくくりにする必要がありますが、そうなると、同じパターンの部分モデルが20個も100個も連続する長い 冗長なモデルになります。考えただけでうんざりです。

そこで、冗長性を避けるために「配列」を使います。
配列を使うと、モデルがすっかりコンパクトになります。
このモデルでは、人口モデルの概要と、配列の使い方を学習します。

■経済波及効果を求めるエンジン
ファイル名:6−618−開始の前にお読みください.pdf  
       5−A23−産業連関表の独立モデル−Presentation(for2005).sip
       産業連関表係数.xls         
圧縮ファイル容量:0.1MB      解凍ファイル容量:0.3MB

公共事業やワールドカップのような大きなイベントの実施は、社会の広い範囲に経済波及効果をもたらします。
2006年現在、米軍の再編問題がさまざまな影響を日本社会に及ぼしています。
それに関連して東京都の多摩地区にある横田基地の民間への開放にかんする問題もあり、その経済波及効果などが調査されました。

日本財団の助成事業として、今後の首都圏全体と横田の航空需要および首都圏西部地区への社会経済的波及効果を調査検討し、「首都圏空港の整備利用に関する検討調査報告書」が財団法人統計研究会により2006年3月に取りまとめられました。
その調査では、既存の分析手法・結果も活用しつつ、ハフ・モデルやシステム・ダイナミックス・モデル(SDモデル)も駆使して多面的な分析が行われました。

このSDモデルはそこで使われた産業連関表を組み込んだ経済波及効果を推計するSDモデルです。
以下の6つの産業分野の投資による経済波及効果を試算できます。
  試算に利用できる産業分野:建設、商業、不動産、金融・保険、運輸、サービス
このモデルを皆さんが目的とされるSDモデルに組込んで実目的で使われたい場合には遠慮なくお問合せください。

教育向けモデル

■カーリングで学ぶ力学
ファイル名:カーリングモデル.sip         
圧縮ファイル容量:1.3MB      解凍ファイル容量:7.7MB


アメリカのK-12プロジェクトに刺激されて、日本の初等中等教育にSDを適用できることを確認したいと思い、2002年3月30日に、興味をお持ちの皆様にお集まりいただきオリエンテーション・コースを開催しました。このモデルはそのときに物理教育への適用を想定して作成したものです。

若者は体験を通して世の中の仕組みを学び、その知識を組合わせて抽象的な概念を創造します。しかし、全てについて実体験を持てるわけではありませんから、それを補うためにシステム・ダイナミックス・モデルによる仮想体験が有益です。

このモデルではカーリングのストーンが氷上を滑り、場合によっては停止している相手のストーンにあたり突き飛ばして方向を変えて止まるまでをシミュレーションできます。一部にゲーム感覚を取り入れ興味深くしていると共に、視覚に訴えることで現象を分かり易くしています。

対象となる場を構成する要素間の因果関係を重視し、それらの整合性が必要な学問分野であるなら、物理に限らずシステム・ダイナミックスは教育技術として大変有効です。初等中等教育に関係される方々の積極的な活用を期待しています。


■ベルハルストの人口論とカオス
 −ロジスティック方程式のSDによる数値実験−

ファイル名:3206カオス.sip + カオス.xls
圧縮ファイル容量:780KB       解凍ファイル容量:15MB

人口論については17世紀に最初の出版物が出されたと言われてい ます。19世紀になってベルハルストが生物学的な仮定をおいて、人口の増加率が人口密度に依存するロジスティック方程式を提示しました。ロジスティック方程式では、現在までの人口が決まると、次の時点の人口が決定論的に決ま ります。

その後、ロバート・メイが1970年代に入りコンピュータを使って数値シミュレーションを行なったところ、この方程式は決定論的な形式ではあるが、ある条件では非常に複雑で、不規則、不安定になり、将来の状態が予測できない結果を導くことを指摘し ました。この状態が、カオス的現象であり、このロジスティック方程式がカオスの条件を満足することが後に分かりました。

一つの簡単なロジスティック近似差分方程式が、連続的に条件を変えることで様々な挙動を示すことから、SDモデルで表現して世の中の不安定な現象を表現するモデルとして使えないかを検討し ました。簡単な応用例として、経営者の独りよがりの向上心が社内の不協和音を生み、場合によっては崩壊に至る状態をモデル化した例もこのモデルに附属しています。

なお、PsStudioでシミュレーションした結果は、Excelに吐き出し、グラフ表示しています。

経営関連の基本構造モデル

自由にダウンロードしていただけるように、経営関連の基本構造モデルとして次の6種類を準備しました。
@人的資源、A顧客、B管理、C製造、
Dシーケンシャル・ワークフロー、E待ち行列
これらのモデルは、Barry Richmondによる”An Introduction to Systems Thinking”を参考にして構築しています。

■ダウンロードの方法
右の画像をクリックすると、win.zipで圧縮された、”Main-Chain-Infrastructure.zip”がダウンロードできます。適当なソフトで解凍すると6種類のモデルが出てきます。

■モデルの活用方法
@シミュレーションを実行して仮想経営することで経営学習ができます。
Aこれらのモデルをベースに、機能追加や変更などのカスタマイズをして、問題解決に必要な
  ビジネス・プロセス・モデルを構築できます。
Bこれらのモデルをサブモデルとして組み合わせることで、問題解決に必要なビジネス・プロ
  セス・
モデルを構築できます。

■シミュレーション・プログラム
と簡易マニュアル
次に、フリー・ソフトウェアの評価版 Ps Studio Express は、左のフレームの”Freeプログラムのダウンロード”からPowersim社のWebページに入りダウンロードする ことができます。
Ps Studioに関する初歩のガイダンス書は、左のフレームの”Studioの使い方”から入手できます。

モデルのダウンロードのページはここをクリック

自作モデルの公開希望

自作されたモデルを公開してみませんか。システム・ダイナミックスの実用化と普及に自作モデルの公開を通して是非貢献していただきたいと願っています。
希望される方は以下のモデルのテンプレートをダウンロードして、貴方のモデルを描き、メールに添付して松本まで送信してください。

送付先 :松本憲洋

モデル作成条件
(1)モデルの大きさはフリーのExpressで動く大きさに限定
(2)著作権は全て作成された方に属することを明記
(3)公開モデルを利用して問題が発生した場合の責任は全面的に利用者に依存
(4)ダイアグラムのタブ構成は既存の配布モデルを参考にして作成者が適当に決定
(5)モデルの名前はわかりやすい日本語で15字以内
(6)最終的な実行状況を松本が確認問題がなければ1週間以内にこのページにアップロード

  ■ 公開自作モデル用のテンプレート