【このページの目次】

   
異常発生時の自動バックアップ:Auto-Save機能
       VBFunction
       FreeのCockpit上で走るモデルの作り方



Ps Studioの特徴的な機能

 

Ps Softwareは、実用化を目的にしているために、他のシステム・ダイナミックス・ツールである Vensimやithink/stellと比べて、特徴ある機能を備えています。
このページでは、思いつくままにそれらについて説明したいと思っています。そのため項目の前後関係には無頓着になりますので、上述の目次で見通しを立てて、そこから希望されるページにジャンプしてください。また、さらに詳しい情報については、下記のPowersim Software ASのWebページも直接参照ください。

   Powersim社のWebページのURL:http://www.powersim.com


ご不明な点がありましたら、ここをクリックしてPOSY社にお問い合わせ下さい。

 

異常発生時の自動バックアップ:Auto-Save機能


Auto-Save機能は、2013年に リリースしたStudio 9 SR5において付加されました。
モデルを作っている最中に、突然、PCがクラッシュしたり、WindowsやStudioがハングアップして、折角のモデルが凍りついてしまった苦い経験はありませんか。そんな時に限って、前もってバックアップ していないことが多く、同じモデル開発を再び最初から作らざるを得ないことになります。クラッシュやハングアップが発生しなければ一番良いのですが、複数の別個の組織で作ったソフトウェアを組み合わせて使っているのですから、想定外の事象を完全に潰したシステムにはなかなか 到達しません。

それで、Powersim社では、クラッシュやハングアップが発生した場合にも、被害が最小に収まるための対策を準備しました。それがAuto-Save機能です。やり方は実に単純で、
一定の時間間隔で自動的にモデルを保管します。異常が発生した場合には、一定の間隔で自動的に保管してあるモデルの中から最適なモデル、一般的には最新の保管モデルになるでしょうが、を選択して再起動します。 このような異常事態はたびたび起きることではありませんが、運悪く大きなプログラムを作っている時に経験すると、大変な苛立ちと焦燥感に襲われます。

次に、保管間隔の設定方法などについて簡単に説明します。
(1)Auto-Saveのインターバルタイムの設定(デフォルトタイム=5分)
  
メニューバーのTools ⇒ Option ⇒ Project ⇒ File recovery

(2)異常発生後の回復
  プログラムを再度開くかどうかを聞いてきます。
  プログラムを再開すると、画面の右にTask Assistantウィンドウが開きます。

  そのウィンドウ上に、(1)で設定した間隔で保管されたモデルの履歴が表示されます。
  プログラム上には、その内から最新の保管モデルが表示されます。

  ただし、最新のものに無限ループなどが存在して怪しげな場合には、その前
     のモデルが表示されるようです。
  また、それ以外のモデルも表示して、状態を確認することができます。
  なお、いずれにせよ、表示したものを採用するのであるなら、そのモデルを
     意識的に保存します。

 

VBFunction

Ps Studioは機能が充実していますが、更にモデリングの自由度を上げる工夫が施されています。それが、VBFunctionです。
VBFunctionは、VBScriptを使って自由に作る関数です。例えば、Ps Studioでは実現が難しい繰り返し計算などを容易に実現できます。詳しい機能は、Ps StudioのHelpで”VBFunction-VBScript Function”を検索して参照していただくとして、ここでは全体の簡単な説明と、関数を作る上で注意すべき点について述べることにします。

(1)VBFunctionの文法
   VBFunction(Dimentions | Expression | Script)

(2)Dimention
   この関数で計算して返す、この関数内の手続き文で使われる変数名と次元です。
   変数名=次元 と記しますが、変数名は省略できます。
   省略した場合の変数名は、”Result”です。

(3)Expression
   この関数の外部から取り込む変数名です。Ps Studioの変数のプロパティにおける
   ”linked variable”です。
   変数名=”linked variable”,変数名=”linked variable”,変数名=”linked variable”,・・・
   のように、カンマ切であるだけの変数を繋いでいきます。
   変数名はこの関数内の手続き文で使いますが、省略することもできます。
   省略した場合の変数名は、Param1、Param2、Param3・・・です。

(4)Script
   ここで、VBScriptでプログラムをコーディングします。Ps Studioでほかの変数の定義も
   変数のプロパティ画面上のDefinition枠内で行いますので、VBFunctionの場合もつい
   そうしてしまいがちです。
   しかし、VBScriptによるコーディング部分は、例えばMicrosoft Visual Studioに収録され
   ているスクリプト・デバッガーで、コーディング・実行・動作確認した上で、そのプログラム
   をVBFunctionに張り付ける方が、エラーも少なく結果的には早い完成が期待できるよう
   に思います。
   上記のディバッガーがないにしても、Excelに搭載されているVBA用のエディターである
   VBEを使うこともできます。ただし、VBAではSubプロシージャやFunctionプロシージャで
   ないと実行できないので、実行するにはいずれかのプロシージャとして表現し、
   VBFunctionに張り付ける際にはその部分を修正する必要があります。
   なお、繰り返し計算で無限ループに入った場合に、エラーコードは戻りませんので、
   Ps Studioは待ちぼうけ状態になります。この辺りのチェックは、ディバッガーやエディター
   に頼る以外なさそうです。
   また、VBScriptのScript部分には記述の約束事があります。それは、1行ごとに文章の
   前後を、コーテーションマーク「”」で囲むことです。
   Ps StudioのHelpにある簡単な例を以下に表示します。
   −−−−−−−−−−

   V
BFUNCTION( 1..3 | {1,6,3} |
          "for i = 0 to 2"
                "Result(i) = Param1(i)*10"
            "next"
            )
   −−−−−−−−−−

           この関数が返す変数:Result= {10,60,30}


FreeのCockpit上で走るモデルの作り方
 

Ps Studio 10 のリリースに伴い、run-timeソフトウェアであるCockpitが無償で配布されることになりました。Ps Studio 10 Premiumでモデルを構築すると、そのモデルを無償のCockpitと共に、社内の関係部署や顧客に配布することができるようになります。Cockpit上で走らせるモデルにするためには、モデル作成後に追加の作業があります。それについて簡単に説明します。まず、対象のモデルを開きます。

 

1.  基本条件
モデルを構築するツール:Ps Studio 10 Premium
Compatibility
Studio 10 file format
 

2.  Project SettingPresentation Setupの設定
このページでDesign Modeをオフにして、Presentation Modeでモデルを開いて走らす場合に必要な設定をします。


      

モデルをStudio 9 file format以前のバージョンで構築している場合、「Cockpitで使用することを許諾」にチェックを入れ、OKをクリックした時点でStudio 10 file formatに変更するかと聞いてきます。一度変更すると元には戻せないので、元のformatのモデルも後に使う場合には名前を変えて保管する必要があります。

以上の追加操作により一応Cockpit上で走るモデルができました。ただし、モデルが1枚のダイアグラムだけで構築されている場合には問題がないのですが、複数のダイアグラムから構成されていて、Cockpit上でそれらのダイアグラムも表示させたい場合には、ダイアグラムを移動するためのハイパーリンク機能が必要です。次に、ダイアグラムを移動するハイパーリンク機能の使い方について説明します。

 

3.  ダイアグラムを移動する方法
モデルを開いてダイアグラムごとに、アンカーを設定します。ハイパーリンクのリンク先は各ダイアグラムで、名前はタブに書かれたダイアグラム名です。アンカーの作成にはツールバーに置かれた“Activate tool for creating a Hyperlink”機能を使います。

       
    
ハイパーリンクの張り方は、モデルの種類によって様々ですが、商品モデルのように出来上がっているモデルの場合は、オペレーションのシナリオを前提にすることになるでしょう。また、試作的なモデルの場合には、上図のように、どのダイアグラム上にも、全てのダイアグラムへリンクを張った同じ形のアンカーセットを配置することになるでしょう。
なお、Premium上でハイパーリンクのテストをする場合は、“Toggle Design Mode”をオフにして、Presentation Modeに設定して実施する必要があります。

 

4.  Cockpitのダウンロード
Powersm Software AS
Webページからダウンロードします。次に、具体的な操作法を説明します。
(1)以下のURLのページを開きます。

http://www.powersim.com/main/download-support/technical_resources/service_releases/studio10cockpit/


(2)Download Powersim Studio 10 Cockpitのページが開きます。
   32bit用と64bit用のアンカーが並んで表示されていますから、必要な1方を選択します。

(3)仮に32bit用を選択すると以下の画面が表示されます。


   
 
   

(4)画面の指示に従って操作を進めてください。

(5)注意事項
   他の種類のPs Studioが存在するPCに、Cockpitをインストールすると、
   上書きする恐れがあります。

 



 

このページは逐次、追記します。