国際システムダイナミックス学会日本支部(JSD) 
2004年度総会 記念講演会のご案内


JSDの標記講演会は会員以外にも公開されています。
会員以外の方は、下記アドレスの事務局までメールでお申し込み、受講票をお受け取り下さい。
申し込み内容 :氏名、所属、E-mail アドレス、電話番号
申し込み先   :jsd-office@egroups.co.jp

期日 :2004年1月31日(土)13時〜17時
場所 :中央大学後楽園キャンパス 6号館の6701教室

講演 :
総会記念講演(1) 13時〜14時30分
           リスク・マネージメントの専門家

     落合 以臣氏 (株式会社ジョンクェルコンサルティング 代表取締役)    
     「倫理観の向上とリスクマネジメント」

総会記念講演(2) 14時30分〜16時
           リフレ派を代表する経済学者

     岩田規久男氏 (学習院大学経済学部 教授)           
     「日本再生に痛みはいらない」


講演概要 :
総会記念講演(1)
「倫理観の向上とリスクマネジメント」 落合 以臣 氏
ここ数年、企業では数々の事件・事故、などで世界に対して大きな信用失墜を起こしたことは周知の通りである。
経済産業省が、企業で起きた事件・事故の背景をまとめたところ、原因の80%が人的に関り、20%が技術伝承を妨げたものであったと報告した。
年々わが国を取り巻くリスク環境は増大し、企業が抱えるリスクは極めて広範囲にわたると言えるが、不祥事を引起す原因と背景は、人的心理に依存すると言っても過言ではない。
終身雇用、年功序列が崩壊し、成果主義に転じた評価方法は、日本人にとって不得意な評価への移行と同時に企業を支える人々のやる気さえも押し殺す結果になっているのではと思われる。
やる気を形成する要素は動機付けが関与し、その源流を遡ると倫理観、道徳観、さらにはリスクマネジメントへと連動している。
記念講演では、倫理観の向上がリスクを軽減することにつながることを述べ、企業の一助になれば幸いと考える。

総会記念講演(2)
「日本再生に痛みはいらない」 岩田規久男氏
小泉純一郎首相は、「改革には痛みが伴うが、痛みなくして、成長なし」という。
しかし、五%前半で高止まりする失業率、企業倒産、自殺の増加などは、構造改革による痛みではなく、デフレで景気が悪いための痛みである。
そもそも、構造改革を進めるために、低成長やマイナス成長を原因とする企業倒産、失業、生活難からの自殺といった「痛み」を我慢する必要はまったくない。
実質で二〜三%の成長、名目で五〜七%程度の成長の下で、構造改革を進めれば、低成長ゆえの倒産、失業、自殺などの「痛み」はまったく生じない。
また、規制改革や無駄な公共投資の廃止などによって失業が生じたとしても、景気が本格的に回復し、経済が順調に成長していれば、そうした失業者が新しい職を見つけることも容易になる。
デフレから脱却して、景気が本格的に回復し、経済が順調に成長している状況でこそ、小泉首相が目指すさまざまな構造改革はスムーズに進むのである。